大人になれないぼくらの
彼女はいつも俺の2、3歩前を歩いていた。 その姿は実に悠々としていて、その勇ましさにこちらが溜息をつきたくなるほど立派なものだったけれど、それが実は危うく脆くものであると気付いたのは、 彼女と知り合ってからずっと時間が経過した後のことだった。 ...
砂時計をひっくり返す
過ぎてしまった時間は、もう戻らない。 言ってしまった言葉は、もう取り消せない。 失ってしまったものは、もう取り戻せない。 いつだって失くすのはあんなにも容易いのに、どうして取り戻すのはこんなにも難しいのだろう。 「ごめんね乱馬、待った?」 ...